Nihei's Column2004

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  ハゼの独り言
update 2005.01.27
 
魚の餌付け
ここセブでは体験・ライセンスなどで
魚に餌付けをするのが当たり前のようにおこなわれている。
餌付けのされているポイントに行くと
必ずと言っていいほどのオヤビッチャなどのスズメダイなどが餌くれ〜とばかりに突撃してくるのである。
最初はかわいいなどと思って見ているのだが、
中にはウロコなどが変形しているモノや唇が変形しているモノも見かける。
餌にしているのは大半、パンなどでこれらの物は人間界の添加物で作られている。
海の生物たちにとって本来口にする物ではないのである。
昔、レッドシーでナポレオンにゆで卵で餌付けしていたが、体が変形などの状態に陥ったため餌付けが禁止となったことがあった。
魚の餌付けは決して悪いとは思わないが餌付けに使う物を見直さないといけないのではないのだろうか。
小さなことなのかもしれないが、今の環境を保存して行かなくてはいつかは必ずしっぺ返しがやってくる。

   
update 2005.03.07
ベラは魚の中では種類も多く色彩も派手で、サンゴ礁を彩る名脇役である。
中でもヤマブキベラの雄は強烈なデザインでなかなか印象深いのである。
このヤマブキベラは生まれたときはほとんどが雌で、雄はごく一握りである。
ここまで当たり前の話だが、これからがちょっとややこしい。
雌が成長していくにつれ、体格や体力に差が出てくる。
そしてグループの中でいちばん優勢なものが雄へと性転換するのだ。
一方、生まれながらの雄は体も貧弱で色もちと地味である。
性転換した雄はハーレムといって多くの雌を従えることができるが、生まれながらの雄は一生伴侶を持てない一匹狼なのだ。
満潮から下げ潮に向かう時に雄は中層で小刻みに胸鰭を震わせ、雌を誘う。
雌がその気になると体を寄せ合い、水面へと上昇し放精放卵する。
その瞬間、生まれながらの小さく地味な雄は狙い澄ましたように上昇し、自分の精子をぶちまけるのだ。
性転換した大きな雄は悦楽の瞬間を迎えているわけで、そんな小さな雄のことなど気にもかけない。
こうして自分の遺伝子を残すという涙ぐましい努力が続けられるのである。
ただいま産卵シーズン中なので、
このような光景がよく繰り広げられているのだが、見ていて男って・・・・と思う今日このごろなのである。 

   
update 2005.05.09
フィリピンの空と海の青さは、他の海とはちょっと違う感じでたまらなく好きである。
初めてセブに来たときの空と海の青い色は未だに忘れられない。
年々リゾート開発が進み、海岸線には多くのホテルが建ち並び
海の色は年々変化しているのだが、やはり私の中のセブの色は「青」なのである。
世界中に青い海があるが、その「青」は微妙に違うのである。
インド洋のまったりした甘ったるい青やミクロネシアの濃厚な青、沖縄の青は透き通るような青である。
このような青に身を浸すと心まで澄んでくるように思える。きれいな青は水があくまで澄んでいることが絶対条件だ。
よく言われる「エメラルドグリーンの海」は少し濁っている海の色なのだ。
眼前に広がるマクタンの海が最近になっていつもエメラルドグリーンなのが気に掛かっている。

   
update 2005.07.19
スズメダイ達の縄張り

ここフィリピンでは、スズメダイの種類は非常に多く生息している。
今、手に入る魚図鑑では到底追いつけないほどの種類が住んでいる。
全ての魚に言えることだがそれぞれの魚は縄張りなるものを持っている。

その中においてもスズメダイの縄張り意識はトップクラスにあげられるだろう。
スズメダイにもおとなしいものからダイバーに向かってくる物まで様々だが、
お互いに生活圏を水深によってコントロールしているために同種族同士がけんかをしないですんでいる。
珊瑚礁に群れを作り、サンゴに守られているデバスズメダイなどは共同で縄張りを守るが、
ヤマブキスズメダイやルリホシスズメダイなどは単体で縄張りを守る。
産卵シーズンになるとさらにエスカレートする。
縄張りに入ってきたスズメダイの10倍ほどの大型の魚にも果敢に立ち向かって行くのである。
全く同じようにダイバーにも向かってくるのでちょっと困りものでもある。
小さいスズメダイにもそれなりに“歯”があり、小さいからと油断していると噛んでくる。
フィンやレギュレーターなど。しまいにはおでこや耳などである。
耳やおでこなどはちゃんと歯形が付けられたりする。
産卵になるとオスが自分のヒレを使い、一生懸命守る姿を見ることが出来る。
ヒレがボロボロになってもふ化するまで続けられる。
クマノミもスズメダイの仲間で同じような光景がみられる。
魚の世界は美しい。

   
update 2005.10.13
ハゼとテッポウエビの関係
フィリピンには多くのハゼの仲間が生息しているが、
ハゼ類の中にはエビと共生をとるタイプのモノも多く生息している。
よく観察していると、エビは一生懸命穴の中を拡張しているらしく穴の中からはさみの部分をうまく使い 、
砂を運び出しているのを見ることが出来る。
この時、ハゼは何をしているかというと、巣穴の付近で外敵などからの見張りをしている。
それはエビが盲目であるため、外敵が来たとしても気が付かないのをカバーしているためである。
エビが穴から出て来る時はハゼの体に触角をつけている。
ハゼは外敵が近づくと体を震わせてエビに教えているのである。
ところが、たまにハゼのことなどお構いなしにハゼより先に外に出てくるものもいたりする。
ハゼとエビの共生関係はちょっと変わっている面もある。すべての生物は子孫を残すことに懸命である。エビは子孫を残すために相手と出会うまで巣穴を広げていく。
出会えると巣穴を広げることは終わり、巣の修復のみになる。
ハゼにも同じことが言えるのだが、エビが相手と出会ったときにハゼも出会えると
ハゼ2匹とエビ2匹同士の共生が始まる。しかし相手が見つからないときには、
ハゼはエビを捨てて新しい巣穴を探しに行ってしまい、今までの巣穴にはエビのみとなる時もある。ハゼ、エビの種類によって共生できるタイプもあるらしく、大半は同じ種類のもの同士がペアになっている。
お互いのできない部分をカバーしあいながら生活している、
ハゼとエビの関係を観察しているとほのぼのとしてくるのである。